
半導体関連市場は成長が注目されている分野のひとつです。X線検査装置は半導体の内部を検査するための装置であり、不良を見逃さずに効率よく製品をチェックできます。今回は半導体におすすめのX線検査装置メーカーとして、アイビット・松定プレジション・島津製作所の3社の特徴と魅力について詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。
半導体関連市場の動向について解説
半導体関連市場は成長が続いている業界のひとつですが、景気の波が変化しやすいことでも知られています。近年では在宅ワークの増加によるパソコン・タブレットの需要急増をはじめとして、さまざまな分野で新たなニーズが生まれているのも特徴です。ここでは、半導体関連市場の動向を多様な角度から詳しく解説します。半導体市場の直近2年間の動向
2023年の半導体関連市場では、感染症の流行を受けて需要が減少傾向にありました。在宅ワークの増加によってパソコン・基地局・サーバー関係は好調となっていたものの、世界の半導体売上高は全体として5%減少します。半導体関連市場の不調は2022年下半期から続いており、2023年の後半まで継続しました。また、2024年は回復の年であるといわれており、幅広い製品群での需要回復によって売上高アップとなりました。
2024年10月に発表された調査結果によると、2024年8月の世界の半導体売上高は単月で過去最高額の531億2,000万米ドルとなっており、2023年8月と比較すると20%以上のプラスです。
一方で、好調なAI関連を除くそのほかの製品では多くが前年比でマイナスとなっているのも現状です。AI関連では前年比19%プラスをマークしているものの、自動車用途関連などでは低迷が続いています。
ただし、今後はさまざまな製品群において需要が回復することが予想されており、長い目で見れば拡大傾向にあると考えられます。
地域別の半導体市場の動向
中国の半導体関連市場は成長を続けており、22025年は前年と比較して月産枚数が14%増加の1,010万枚に達すると予想されているほどです。中国の生産枚数は世界の半導体関連市場の約3分の1を占めており、市場は今後も拡大傾向にあります。しかし、アメリカは中国牽制のためにファーウェイへの先端技術の輸出に制限をかけており、2025年からはAI・半導体分野においても輸出の規制を厳しくすることを検討しています。
また、アメリカではNVIDIAの開発するAI向けのGPUが好調であり、2024年の1月期には売上高が初の世界首位をマークしました。2025年には次世代のAIチップを市場に投入することを計画しており、今後も売上高アップが期待されるでしょう。
加えて、2023年に売上高1位をマークしていたIntelでは、他企業と手を組んでN2の量産を検討しています。アメリカの市場は拡大が続いており、成長率はナンバーワンであるといわれています。
さらに、日本の半導体関連市場では工場の新設が盛んであり、生産能力も徐々に上がっているのが現状です。成長率は9.4%であり、アジア大洋州と比較すると少々低めではあるものの、2025年は大きく進展するとも考えられています。
今後10年間の半導体関連市場はどうなる?
今後10年間の半導体業界では、感染症の流行による在宅ワークの普及を受けてニーズが高まっていたパソコンやタブレット、スマートフォンが落ち込んでいます。しかし、自動車の半導体搭載量の増加を受けて、業界全体としては拡大傾向にあると考えられています。電気自動車や自動運転車などは、車載半導体市場を牽引するとしてとくに注目されている分野です。
また、世界中の多様なシーンにおいてデジタル化が進んでいることを受けて数多くの半導体メーカーが設備投資を進めており、10年後には100町円規模の市場に成長することも見込まれています。今後の半導体関連市場は、自動車・医療・産業向けがメインとなるでしょう。
半導体におすすめのX線検査装置メーカー3選
半導体の検査にはX線検査装置を利用します。X線検査装置を利用すれば内部の不良を見逃さず、生産性・品質の向上に役立てることが可能です。ここでは、半導体におすすめのX線検査装置メーカーとして、アイビット・松定プレジション・島津製作所の3社の特徴と魅力について詳しく解説します。アイビット

引用元:https://www.i-bit.co.jp/
会社名 | 株式会社アイビット |
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住所 | 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 かながわサイエンスパーク(KSP)東棟6F |
電話番号 | 044-829-0067 |
アイビットのX線検査装置が選ばれる理由として挙げられるのは、独自のX線ステレオ方式を採用していること・幾何学倍率1,000倍を達成していること・毎年バージョンアップを行っていることの3つです。
そもそもX線ステレオ方式とは、基板表面と裏面を切り分けて検査できる方法です。従来までのX線検査装置では、基板の裏面にある部品も写り込むことから検査の精度を一定以上に保つことが困難でした。
しかし、アイビットのX線ステレオ方式では対象物の表面・裏面を切り分けて写せるため、両面実装基板や複雑な部品についても正確な検査結果を得ることが可能です。さらに、検査をわずか数秒で終えられるのもうれしいポイントです。
また、アイビットが提供するX線検査装置は廉価な密閉管X線管で透過型ターゲット方式を実現しており、高倍率・低価格を実現しているのもうれしいポイントとなります。現場の声をしっかりと反映したアップデートを毎年行っており、業務改善の実現に向けて尽力している点も魅力のひとつです。
製品ラインナップは3次元インラインX線検査装置やX線ステレオ方式3次元X線検査装置をはじめとする12種類であり、世界各国での保守サービスに対応している手厚いサポートも人気を集めています。社内開発を行っているアイビットならではの質の高いサービスで、長く安心してX線検査装置を利用できます。
松定プレシジョン

引用元:https://www.matsusada.co.jp/product/x-ray/
会社名 | 松定プレシジョン株式会社 |
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住所 | 滋賀県草津市青地町745 |
電話番号 | 0120-747-636 |
人財の知恵と和を大切にすること・豊かな想像力を大切にして世界の発展に貢献すること・未来に広がる夢を持つこと・世界に技術と信頼の輪を広げることの4つを経営理念として掲げています。
そして1970年の創業以来、数々の製品を開発・販売してきました。松定プレシジョンのX線検査装置は主に4種類あります。
小型卓上タイプで対象物の内部を観察できる卓上型X線透過検査装置(縦照射型)、汎用タイプで高倍率な観察が可能なX線透過検査装置(縦照射型)、マイクロフォーカスX線源による高精細なX線透過画像から高精度なCT画像を生成できるX線CTスキャン装置(横照射型)、対象物などのワーク内部を連続して自動検査できるX線インライン自動検査装置から選択可能です。
また、6種類の旧モデルX線検査装置もラインナップされており、豊富な商品の中からニーズに合ったものを選べるのがうれしいポイントです。装置の購入を検討している人向けのX線検査装置デモルームでは、松定プレシジョンのスタッフとの打ち合わせや装置の検証ができます。
デモルームは滋賀県と東京都にあるため、購入前に実際の機器に触れて使用感や性能をチェックしたり、複数の検査装置を比較したりするのもよいでしょう。
また、松定プレシジョンではX線検査装置以外にもさまざまな製品を開発しており、エネルギー・環境や車両・航空宇宙、金属加工、医療関連などの多様な分野の商品開発やサービスを支えています。
島津製作所

引用元:https://www.an.shimadzu.co.jp/products/non-destructive-testing/index.html
会社名 | 株式会社 島津製作所 |
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住所 | 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 |
電話番号 | 075-823-1111 |
主要製品はX線検査装置を含む分析計測機器のほか、医療用画像診断機器、真空機器、海洋関連機器、油圧機器など多岐にわたります。島津製作所のX線検査装置には、透視・CTのほか、位相コントラストX線CTシステム、計測用X線CTシステムなどの豊富なラインナップが展開されています。
透視のX線検査装置として挙げられるのは、マイクロフォーカスX線発生装置と高解像度のフラットパネル検出器を採用した縦照射型X線装置であるXslicer SMX-1010/1020、自社のマイクロフォーカスX線発生装置と300万画素のフラットパネル検出器を採用した縦照射型X線検査装置であるXslicer SMX-6010です。
また、CTのX線検査装置として挙げられるのは、品質検査をかんたんに・スピーディーに行えるコンパクトなXSeeker 8000、操作性が高く演出エリアが広大であり、最大1,400万画素相当の入力解像度を誇るinspeXio SMX-225CT FPD HR Plusです。
島津製作所の特徴として、透視・CTのそれぞれにおいて保守サービスが用意されている点が挙げられます。保守サービスではそれぞれの機器を従量課金サービスにて利用可能であり、X線の照射時間に応じて料金を支払います。
機器を購入する場合と比較すると初期費用を抑えられるほか、万が一X線検査装置に不具合が発生した場合でも追加料金なしで対応してもらえるのが魅力です。
料金は年間基本時間として定められた分までは使い放題となっており、基本時間を超えた分のみ3か月ごとに料金を支払います。IoT技術を活用して、装置の状態を24時間体制で見守ってもらえる点もメリットとなります。