
電子機器の高性能化が進む現代では、プリント基板の製造精度が製品全体の信頼性を左右します。内部構造に潜む微細な不良を見逃さず検出するためには、非破壊で高精度な検査が必要です。この記事では、基板検査の重要性と代表的な7つの検査方法を紹介し、なかでもX線検査による可視化のメリットや適用範囲についてくわしく解説します。
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基板検査の必要性とは
基板は、電子機器の中枢を担う重要な構成要素であり、その品質は製品全体の性能や安全性に大きな影響を与えます。スマートフォンやパソコン、医療機器、自動車、家電製品など、あらゆる分野に基板は活用されています。高性能化・小型化が進む現代では、基板に対する要求もより高度なものになっています。こうした背景を踏まえると、製造された基板に対して徹底した検査を行うことは、製品全体の信頼性を高めるうえで欠かせない工程といえます。
基板検査のおもな目的は、はんだ付け不良、断線、ショート、部品のズレ、欠品などの不具合を早期に検出することです。これらの欠陥は、最終製品に組み込まれた後に発覚すると、修理対応やリコール、顧客からの信頼喪失といった重大な問題につながる可能性があります。
検査工程での早期発見によって、不良品の流出を防ぎ、結果的に製造コストの削減や品質保証の強化につながります。また、品質の高さはそのままブランドの信用にも直結するため、企業競争力を維持・向上させるためにも基板検査の徹底は非常に重要です。
従来の目視検査やテスターによる電気検査では、複雑な実装部品や多層構造を持つ基板のすべてを正確に検査することは困難です。とくに、BGA(ボールグリッドアレイ)のように接合部が基板の下に隠れている部品に対しては、外観からの確認が不可能なため、精度の高い内部検査が求められます。
そこで有効なのが、X線を活用した非破壊検査装置です。X線検査では、外側からでは確認できないはんだ接合部や多層基板内部の構造までを透過撮影によって可視化することができます。これにより、通常では見逃されがちな微細な欠陥を高精度で発見できるため、品質の安定に大きく貢献します。
しかも非破壊であることから、検査対象を破損させることなく、そのままの状態で検査を行える点も大きな利点です。検査工程における信頼性と効率性を両立できるX線検査は、品質基準が高まる現代の製造現場において、今後ますますその導入が進むと予想されます。
7種類の基板検査方法を紹介
基板の品質を確保するためには、多様な検査方法を適切に使い分けることが重要です。最も基本的な検査である目視検査は、作業者が基板を直接目で確認し、はんだの不具合や部品のズレ、異物混入などをチェックする方法です。簡便で即時性がある一方、人為的な見落としのリスクがあり、複雑な実装には限界があります。
次に挙げられるインサーキット検査(ICT)は、基板にプローブを接触させて導通や部品の動作状態を電気的に確認する方式で、特定の検査ポイントに正確な信号を送れる点が特徴です。
ただし、専用治具の設計が必要なため、多品種少量生産にはやや不向きです。FLYING PROBE TESTING(FPT)は、ICTと似た検査方式ですが、プローブが自動的に移動することで治具を用いずに導通や静電容量、抵抗値などを計測できます。小ロットや試作段階の検査に適しており、柔軟性の高い手法です。
さらに、自動光学検査(AOI)はカメラによってはんだや部品の配置状態を画像処理で解析し、不良品を自動的に判別します。高精度で非接触かつ高速な検査が可能なため、生産ラインでの初期不良の検出に多く用いられています。
これに対し、自動X線検査(XI)は、基板を透過撮影することで外観からは確認できない内部のはんだ接合部や多層基板の欠陥を検出します。とくにBGAやCSPなど、下部に電極を持つ部品のはんだ不良やブリッジなどの検査において、その有効性が際立ちます。
次に紹介するバーンイン検査は、基板に一定期間通電して高温・高負荷状態で動作させ、初期不良の早期発見を目的とする試験です。長時間の検査が必要になるものの、出荷後のトラブルを未然に防ぐためには有効な手段です。
最後に、機能検査(ファンクショナルテスト)は、基板を実際の使用環境に近い条件下で動作させ、製品としての基本的な機能や性能が満たされているかを確認する工程です。
電源投入後にLEDが点灯するか、センサーが正常に反応するかといった最終的な検査を担うことから、出荷直前の重要な確認手段となります。
これら7種類の検査方法を組み合わせることで、基板の品質を多角的に保証でき、信頼性の高い製品を安定して市場に供給することが可能となります。とくに非破壊かつ高精度なX線検査は、内部構造が複雑な基板において今後も欠かせない手法となっていくでしょう。