
X線検査装置は、製品や部品の内部を非破壊で可視化できる機器として、製造業や電子機器産業、医療分野などで活用されています。X線検査装置は非常に高価なので、装置の導入コストを抑えるにはレンタルがおすすめです。この記事では、X線検査装置のレンタルに対応した、技術力・実績・サポート体制にすぐれるメーカー3社を紹介します。
X線検査装置をレンタルするメリットとは
X線検査装置は、高性能な装置ほど価格も高く、一度導入してから思ったように使えなかったり、機能が足りなかったりすると、大きな損失につながってしまいます。こうしたリスクを回避するには、レンタルでの導入がおすすめです。ここでは、X線検査装置をレンタルするメリットについて解説します。運用効率の向上
レンタルであれば、必要な期間だけ使用し、その分の料金を支払うだけで済むため、性能や使い勝手を実際に使用して確認したい際に便利です。導入予定のモデルと同じ型番をレンタルして試すことで、スペックや機能が適しているかを事前に確認できます。実際に運用してみなければわからない不具合や相性の問題を、購入前に洗い出せるので安心です。また、レンタルは保守・管理の面でもメリットがあります。自社で装置を所有している場合、定期的なメンテナンスや故障対応、部品交換などにかかるコストと手間は軽視できません。
レンタル契約であれば、こうした保守サービスがあらかじめ含まれていることも多く、突発的な修理費用などのリスクも抑えられます。さらに、部品の在庫管理といった業務負担が軽減される点も、現場にとって大きなメリットです。
コスト削減・節税効果
X線検査装置をレンタルで導入することで、節税効果が生まれるのが大きなメリットです。X線検査装置のレンタル費用は、会計上の経費として処理できるため、全額を損金計上できます。これにより、課税所得を削減できるため、節税につながります。これに対して、X線検査装置を購入した場合は、一定金額以上であれば「固定資産」として扱われ、耐用年数に応じた減価償却が必要です。
たとえば、10万円を超えるネットワーク機器や検査装置を購入した場合、それらは通常10年の耐用年数にもとづいて徐々に経費化されるため、短期間での費用計上はできません。
さらに、こうした固定資産の管理には、台帳記入や棚卸し、償却計算など、事務処理上の手間も発生します。レンタルでの導入は、コスト削減・節税効果の面で大きなメリットが生まれる選択です。
短期運用に便利
X線検査装置の導入を検討する際、多くの企業や現場で悩むのが、導入による費用対効果です。とくに、教育や研修、イベントなど、一定期間のみ使用するケースでは、高額な装置を購入することに対するリスクが非常に大きくなります。こうした状況下で有効な手段となるのがレンタルです。社員研修や技術講習、業界イベントなどの現場で、短期間に複数台のX線検査装置が必要になった場合、新品をそろえるとなれば莫大なコストがかかるうえ、その後の機器保管や運用に頭を悩ませることにもなりかねません。
こうした一時的な運用では、購入よりもレンタルの方が合理的です。また、研修や教育の現場では、すべての装置の設定を統一しなければならず、つねに最新のモデルを使用したいはずです。
レンタルであれば、同一機種を必要な台数だけ用意できるうえ、最新の装置を選ぶことも可能なため、こうしたニーズにも柔軟に対応できます。さらに、レンタルの場合は使用後の処分に悩む必要がありません。
購入した機器は不要になってもかんたんに処分できるとは限らず、廃棄費用や処理方法に悩まされることもあります。レンタルなら、契約期間が終了すれば返却するだけで済むため、廃棄のコストや手間もかかりません。短期運用の際には、安心して導入できる理想的な方法といえます。
レンタル可能なX線検査装置メーカーおすすめ3選
X線検査装置は、製品や部品の内部を非破壊で確認できることから、製造業や研究開発、品質管理など幅広い分野で利用されています。ここでは、X線検査装置をレンタル可能なメーカーの中でも、サポートや実績、技術力の面でおすすめできる3社を紹介します。アイビット

引用元:https://www.i-bit.co.jp/
会社名 | 株式会社アイビット |
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住所 | 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 かながわサイエンスパーク(KSP)東棟6F |
電話番号 | 044-829-0067 |
アイビットが独自に開発した「X線ステレオ方式」および「X線ステレオCT方式」により、はんだ接合部が直視できない部品や両面実装基板など、従来では検査がむずかしかった対象にも対応でき、不良の見逃しを最小限に抑えられます。
さらに、透過型ターゲット方式を採用したX線管の構造により、幾何学倍率1,000倍という高精細な検査を実現。これまでは高価だった開放型X線管が必要だった高倍率撮影を、よりコストパフォーマンスにすぐれた密閉型X線管で可能にした点も、アイビットの技術力を象徴しています。
また、アイビットは、導入後のサポートも充実しており、年次点検時には最新のソフトウェアにバージョンアップされるのも魅力のひとつです。アイビットの強みは、装置の性能だけではなく、使用環境や目的に応じた最適なモデルを幅広く用意している点にあります。
短期間だけ高精度な検査装置が必要な場合や、導入前に実機での性能を確認したいというケースに最適な、レンタルでの柔軟な対応も可能です。
島津製作所

引用元:https://www.an.shimadzu.co.jp/products/non-destructive-testing/index.html
会社名 | 株式会社 島津製作所 |
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住所 | 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 |
電話番号 | 075-823-1111 |
代表的な装置である「Xslicer SMX-1010/1020」は、90kVマイクロフォーカスX線と高解像度フラットパネル検出器を組み合わせたモデルです。従来機に比べて画質と操作性が飛躍的に向上し、検査ステージや検出器の処理速度も大幅にアップ。
検査時間の短縮と作業効率の向上が実現されています。また、SMX-1020には、300万画素の高解像度検出器が搭載されており、広視野と高精細画像を両立しました。
また、独自の画像処理技術「HDR」により、材質や厚みに違いがある対象物でも、一度の撮影で最適なコントラストの画像が得られます。これにより、ボイドやクラックといった微細な欠陥も見逃さずに検出可能です。
「Xslicer SMX-6010」は、300万画素の検出器を搭載した縦照射型の装置で、より高精度かつ広ダイナミックレンジの透視画像が得られるモデルです。多層基板や小型電子部品など、観察がむずかしいワークでも鮮明な画像を提供できます。
さらに、透視からCTへの切り替えもスムーズで、多様な検査ニーズに対応可能です。CT機能は、斜めCTと直交CTの2方式があり、対象物の形状や検査目的に応じた柔軟な撮影が可能です。
とくに直交CTは、縦断面画像の鮮明さにすぐれているので、精度の高い内部構造の把握が求められる場面で役立つでしょう。
松定プレシジョン

引用元:https://www.matsusada.co.jp/product/x-ray/
会社名 | 松定プレシジョン株式会社 |
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住所 | 滋賀県草津市青地町745 |
電話番号 | 0120-747-636 |
さらに、独自の高電圧電源技術を活用した、マイクロフォーカスX線管を開発するなど、コンパクトながら高性能な装置を実現しています。ここで、松定プレシジョンの製品の一例として「卓上型X線透過検査装置」を挙げてみましょう。
この装置は、省スペースで設置可能な小型モデルながら、対象物の内部を非破壊で観察できるすぐれた性能をもっています。低価格帯のミニフォーカスX線管搭載モデルから、より高解像度な観察が可能なマイクロフォーカスX線管を採用したハイグレードタイプまで、利用シーンに応じた選択肢が豊富です。
電子部品などの小型ワークを対象とした短期的な検査用途にもおすすめです。また、より大きなワークに対応する「X線透過検査装置(縦照射型)」では、汎用性と観察性能の両立が図られており、大型プリント基板や複雑な構造をもつ部品でも、非破壊で詳細に確認可能です。
電動ステージや傾動・回転ステージを備えたモデルもあり、検査対象をあらゆる角度から観察できるため、見落としのリスクを最小限に抑えられます。さらに、検査方法によっては「X線CTスキャン装置(横照射型)」が適している場合もあります。
産業用マイクロCTとして、X線顕微鏡レベルの観察を可能にするこの装置は、半導体やバッテリー、電子基板の微細構造を立体的に観察しやすいモデルです。マイクロフォーカスX線技術により、樹脂成形品や鋳造品、金属部品など幅広い材料に対応。
CTソフトウェアと組み合わせれば、従来のX線撮影では得られない三次元情報も、手軽に可視化できます。加えて、製造ラインに組み込んで全数検査したいニーズに応えるのが「X線インライン自動検査装置」です。
既存のラインに後付けでき、対象物に応じて搬送構造を柔軟にカスタマイズ可能です。AIを活用した画像処理アルゴリズムと自動検出機能により、人手不足の解消や検査品質の安定化にも寄与していて、とくに自動車業界から高く評価されています。