
企業で線検査装置を導入する際は、条件に当てはまれば補助金を利用して機器を購入することが可能です。今回はX線検査装置導入時の補助金について、使える補助金の種類とそれぞれの補助金の概要や制度目的・利用条件などについて詳しく解説します。補助金利用を検討している人、利用条件を知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
使える補助金は主に2種類
X線検査装置は主に医療分野や半導体機器の検査などで使用される診断装置であり、X線を照射することで検査の対象となる部分を透過させられるものです。最新のX線検査装置は透過機能に優れており、検査対象の内部を正確に解析できます。また、従来よりもX線の量を抑えて撮影できる検査装置が増えていることから、医療分野においては人体への影響が気になる人も安心して検査を受けることが可能です。
さらに、最近では撮影時間がこれまでよりも短い装置・連続撮影が可能な装置なども販売されており、現場の効率化・生産性向上に役立っています。
X線検査装置を導入する際は、補助金を利用することで導入費用の一部をまかなうことが可能です。使える補助金は主に2種類であり、ものづくり補助金・中小企業成長加速化補助金で対象となります。
ものづくり補助金・中小企業成長加速化補助金それぞれの内容
X線検査装置の導入に使える補助金はものづくり補助金・中小企業成長加速化補助金の主に2つです。それぞれの補助金は目的や要件、対象などが異なります。補助金利用を検討する際は、各補助金の概要や条件などをしっかりと把握しておきましょう。ここでは、X線検査装置に利用できるものづくり補助金・中小企業成長加速化補助金のそれぞれの概要や対象について詳しく解説します。
ものづくり補助金の概要
ものづくり補助金とは、企業活動における生産性・競争力の向上をサポートするために作られた補助金です。中小企業・小規模事業者を対象としており、近年ではデジタル化の進行を受けてX線検査装置をはじめとする設備機器の導入に対してのサポートがメインとなっています。また、補助金利用を通した商品・サービス開発や省力化や効率化、生産性向上などを目的としており、設備投資以外にはシステム構築にも活用できます。
ものづくり補助金の条件
ものづくり補助金の条件となるのは、補助金を補助事業のために使う設備などの購入・製作・借用に充てること、または、補助金を補助事業のために使う専用のソフトウェアやシステムの購入・構築・借用に充てることです。さらに、細かなポイントとしては革新性が求められること・生産性アップに役立つこと・目的が明確であることなどが挙げられます。加えて、多くの企業で使用されているパソコンやタブレット、スマートフォンのように、汎用性が高い設備の導入については対象とならない点を把握しておきましょう。
中小企業成長加速化補助金の概要
中小企業成長加速化補助金とは、成長志向の中小企業をサポートするためにつくられた補助金制度です。具体的には売上100億円を目標としている企業を支援することを目的としており、補助金利用を通した地域経済の活性化や賃上げも見込めます。補助金を利用する企業は、売上100億円を達成するプロセスとして具体的な取り組み内容や目標、現状などを明記することが必要です。
中小企業成長加速化補助金の条件
中小企業成長加速化補助金の条件となるのは、生産ラインや自動化の設備・検査装置・測定機器・業務効率化を図るための設備・建設関連機械などです。補助金として支給される機械装置費の用途については、具体的な計画があること・設備導入効果を数値化できることなどが求められます。X線検査装置の導入に補助金を活用する際の注意点
X線検査装置の導入に補助金を活用する場合、それぞれの補助金の種類ごとにいくつかの注意点をおさえておくことが重要です。ここでは、X線検査装置の導入に補助金を活用する際の注意点について詳しく解説します。ものづくり補助金を利用する際の注意点
ものづくり補助金を利用する際の注意点として挙げられるのは、医療法人は補助金の対象外であることや、長期賃貸用など運用を目的とした機器の購入には補助金を使えないことなどです。個人事業主として働いている開業医については、ものづくり補助金の対象として補助金を申請できます。さらに、保険適用事業に使用する設備は補助金の対象外であることもおさえておきましょう。
中小企業成長加速化補助金を利用する際の注意点
中小企業成長加速化補助金は、補助金を利用して購入した機械装置を直接事業で使用することが申請の条件となります。補助金申請の際はX線装置の導入によりどのような効果があるのかをしっかりと洗い出し、用途を明確にすることが必要です。加えて、既存で所有しているX線検査装置の買い替えは補助金の対象とならない可能性が高いこともおさえておきましょう。