X線検査装置に関する法令について

公開日:2025/10/15
xrayinspection-equipment-legislation

X線検査装置は、対象物を破壊せずに異物や破損がないかチェックできます。人の目で見えないほど小さな異常も発見できる、便利な装置です。ただし、X線は人体に影響を与える可能性もあります。そのため、X線検査装置を使用するために資格が必要となる場合もあります。そこで今回の記事では、X線検査装置に関する法令について解説しましょう。

X線検査装置に関わる法令とは

X線に被ばくすると、労働者の健康に影響をおよぼす可能性があります。そのため、X線検査装置に関する法令が定められています。ここでは、X線検査装置に関わる法令について説明しましょう。

さまざまな分野で活用されているX線検査装置

X線検査装置は、対象物にX線を照射して異物や損傷などがないか確認する装置です。医療用のX検査装置は、健康診断や病院などでレントゲン検査として知られています。X線は、いわゆるレントゲンと同じものを指します。X線検査装置は非破壊検査などの目的で、産業や工業の現場でも広く活用されてきました。

労働者のX線被ばくを少なくするための法令

X線は電磁波の一種であり、人体を透過する性質をもちます。そのため、X線が人間の細胞や組織に影響をおよぼす可能性があります。医療用X線検査装置は、医療法と医薬品医療機器法で規制されています。また、産業・工業用X線検査装置は、労働安全衛生法によって規制されています。電離放射線障害防止規則によって、事業者はなるべく労働者がX線被ばくしないように努力する義務があります。

X線検査装置の点検に関する規則

安全に使用し続けるために、X線検査装置の導入後も定期的に点検することが大切です。X線検査装置の使用中は少なくとも6か月以内に1回、装置外周のX線漏えいについて測定する必要があります。測定作業は専門業者に依頼できます。また、測定器をもっていれば、ユーザーである事業者で測定できます。定期的に点検を実施して、安全に使用してください。

X線検査装置の導入・使用の前に必要な届出

X線は人体に影響を与える可能性があるため、X線検査装置を使用する際は手続きが必要です。ここでは、X線検査装置の導入前や使用前に必要な届出について説明しましょう。

労働基準監督署に届出が必要

X線装置を新設、増設または移設する際には事前に届出しなければなりません。ユーザーである事業者が、労働基準監督署に届出手続きします。工事を開始する30日前までに労働基準監督署へ書類を提出してください。余裕をもって届出手続きを済ませましょう。

届出に必要な書類

機械等設置・移転・変更届様式第20号、射線装置適用書様式第27号、装置を用いる業務・製品や作業工程の概要説明資料、そして、管理区域を示す図面が必要となります。管理区域とは、関係者以外の立ち入りを制限して、作業者の被ばく管理を適正に実施する区域のことです。労働基準監督署に届出すると、装置の導入が承認されます。また、使わなくなったX線装置を廃棄する場合の届出は不要です。しかし、鉛やベリリウム、絶縁油など、廃棄処理が難しい物質があります。その場合は、X線検査装置を購入した業者へ廃棄方法を確認してください。

X線検査装置を使用する際に資格は必要?

X線検査装置を使用する場合、労働者に特別な資格は必須ではありません。X線作業主任者の資格が必要となるかどうかは、X線検査装置から漏えいするX線量によります。ここでは、具体的にどのような場合に資格が必要となるのか解説しましょう。

X線作業主任者の資格が不要な場合

X線検査装置から漏えいするX線量が少ない場合は、資格をもっていなくても問題ありません。具体的には装置外部への漏えいX線量が、3か月間で1.3ミリシーベルトを超えない装置です。この場合は、労働者がX線作業主任者の資格をもっていなくても問題ありません。ただし、安全管理責任者を選任したり、安全教育を実施したりする必要があります。外部への漏えいX線量が少ない装置の例として、ボックス型のX線検査装置が挙げられます。

X線作業主任者の資格が必要な場合

X線検査装置外部へ漏えいするX線量が多い場合は、安全確保のために資格が必要となります。具体的には、漏えいX線量が3か月間で1.3ミリシーベルトを超えて、管理区域がある装置です。労働者がX線被ばくすることを可能な限り防止するために、X線作業主任者などの資格が必要となります。

X線作業主任者の資格とは

X線作業主任者の資格について説明します。X線作業主任者は、X線の被ばくによる障害を防止する職務のための国家資格です。試験ではX線の管理や測定に関する知識や関係する法令について出題されます。年齢や性別、学歴などの受験資格はありません。興味がある人やX線を取り扱う仕事に従事する人など、だれでも受験可能です。有効期限や更新制度もないので、一度取得すると永久に資格を保持できます。試験は年間で6回実施されています。法令などを理解して資格を取得すると、X線検査装置を安全に利用できるでしょう。

まとめ

X線検査装置は、対象物にX線を照射して損傷などがないかチェックできる便利なものです。しかし、X線を被ばくすると健康に影響をおよぼす可能性があります。そのため、事業者は労働者がなるべく被ばくしないように努力する必要があります。漏えいするX線量によってはX線作業主任者の資格が必要となります。X線作業主任者は、X線による障害を防止するための職務につきます。X線作業主任者は国家資格であり有効期限はありません。一度取得すると永久に保有できる資格です。

PR独自の「X線ステレオ方式®︎」で基板表面・裏面の切り分け検査を実現
Recommend Table

おすすめのX線検査装置メーカー比較表

イメージ引用元:https://www.i-bit.co.jp/引用元:https://www.an.shimadzu.co.jp/products/non-destructive-testing/index.html引用元:https://www.toshiba-itc.com/hihakai/引用元:https://www.softex-kk.co.jp/引用元:https://www.matsusada.co.jp/product/x-ray/引用元:https://www.ponyindustry.co.jp/引用元:https://beamsense.co.jp/
会社名アイビット島津製作所東芝ユニファイドテクノロジーズ(旧:東芝ITコントロールシステム)ソフテックス松定プレシジョンポニー工業ビームセンス
特徴実装基板の裏面キャンセルが可能視認性がよく直感的な操作を実現座り作業、立ち作業のどちらでも使い勝手の良いデザイン軟X線検査装置の提供を続けて70年以上コンパクトながら高性能西日本唯一のJCSS登録事業者画像保存機能によりトレーサビリティー対応が可能
幾何学倍率1,000倍記載なし記載なし記載なし記載なし約100倍10倍
アフターフォロー保守契約により、修理期間中も代替品の貸出あり保守契約により、トラブル発生時は優先的に対応記載なし年1回の定期点検を実施調査・修理・校正の依頼を受け付けているJIS規格の仕様に基づき点検・校正を実施記載なし
主な導入企業パナソニック、富士通、本田技研工業、三菱重工業、シャープ、京セラ 、トヨタ自動車記載なし記載なしルネサスエレクトロニクス、トヨタ自動車、村田製作所、吉野工業所、東京電力、東京大学、製品評価技術基盤機構記載なし記載なし記載なし
ショールームありあり記載なしありあり記載なしあり
詳細リンク詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら詳しくはこちら
公式サイト公式サイトはこちら公式サイトはこちら公式サイトはこちら公式サイトはこちら公式サイトはこちら公式サイトはこちら公式サイトはこちら